阿部 哲也 ATYサッカーアカデミーオフィシャルサイト
技術とスキル
ここ最近トレーニングで言っていること
「技術とスキル」
これは、切り離してはいけないが、イコールでは無い
では、技術とスキルの違いは皆さんわかりますか？
技術は日本人が得意なこと
技術とは
正しく正確に行うための能力
例えば、パスで言えば、ずらさず正確にインサイドパスができる。
距離に関係なくそれを行うことができること。
もちろん、距離が遠くなればなるほど難しい。
でも、いくら距離が離れていても正確に蹴れる
それをどんな体勢でも正確に蹴れる選手は「技術が高い」と言うこと。
これが「技術」
シュートなら、狙ったコースに正確に蹴ること
どんなシュートシチュエーションやどんな体勢でも
どんな蹴り方でも
正確に狙ったところに蹴れて
キーパーの届かないところに蹴れる
なおかつ、強いボールが蹴れれば「技術が高い」と言うこと。
対して「スキル」とは？
「スキル」とは、状況判断をして、その状況に応じたプレーができること能力のこと「状況に応じた判断力」を「スキル」と呼ぶ。
例えば、パスなら
いつ・どこに・どのようにパスを出すか
相手・味方の状況に応じた次のプレーに繋がるパス
さらに、次プレーする味方がプレーしやすいパスを出せる選手は「スキルが高いパスが出せる選手」
シュートでも、ドリブルでも、ディフェンスでも同じ事。
これが「スキル」
だから、スキル＝技術
ではない。
ただ、技術とスキルは切り離してはいけない。
技術があるけど、スキルの無いプレーはボールを失ったり、ボールを奪えない、ゴールを奪えない。
スキルはあるけど、正確にプレー出来なかったら、これまたボールを失い、ボールを奪えず、ゴールを奪えない。
だから、技術とスキルは伴わなければならない。
日本人や日本人指導者
特に育成年代の選手・指導者は「技術」ばかり指導する。
でも、考えてみてください。
じゃー料理するとします。
カレーを作るとします。
いっぱい包丁の切り方を何十通り練習します。
でも、カレーを作るのに、何通りの切り方を使いますか？
多くて３通りくらいでしょう。
じゃー他の何十通りは使わない。
その時間と労力が「無駄」になります。
ましてや、カレーを作る方法
「レシピ」がわからなかったら、いくら切り方を何十通り覚えても一生作れません。
正しい手順・方法で料理できない
要は「基本戦術」がわからないと、料理はまずくなるのは必然。
正しい手順・方法で料理するからその料理は美味しくなる。
「基本」ができていれば「応用」が効くんです。
さらに美味しくするために「隠し味」を入れる。
「手順」の中に、下処理に凝って工夫する。
「工夫」ができるからさらに美味しくなり・美味しくするために興味を持ち、研究する
味の「個性」も生まれる。
阿部家のカレーと皆さんのカレーの味は違うはずです。
甘口なのか、中辛なのか、大辛なのか
それだけではない「味」の部分。
それが「個性」
だから技術とスキルは両方教えなくてはならないし、選手は両方身につけなくてはならない。
それをプレー中に考えながら試合をしたら相手を上回ることはできない。
プレーが遅くなるから。
だから、「練習」で誰よりも考え
誰よりも正確に
誰よりも周りを見て状況判断して
誰よりも速くプレーをすること。
そして、試合では「無意識」でプレー出来ないと相手を上回ることはできない。
技術とスキルが格段に高い選手で
フィジカルが誰よりも速く・強く・高く
メンタルが強靱な選手
そして、誰からも愛される選手が
プロサッカー選手なんです。
ここを忘れてはならない。
プロサッカー選手たちは
プロになるまで学生時代に
血のにじむような正しい努力をして
自分と向き合ってきています。
だから、メンタルも強いんです。
プロ選手はここぞという時の勝負所で必ず「結果」を残します。
だから、「プロサッカー選手」になるんです。
皆、「修羅場」をくぐり抜けてきているんです。
プロになってからが本当の「勝負」
ここでプロサッカー選手だからと言って勘違いしたり、道から逸れていくことをしたり、
最終的には「結果」を出せなかったら
「クビ」になるんです。
だから、プロになってからさらに彼らは「努力」と言う言葉で片付けられないくらいの「魂」「覚悟」「責任」を持って
毎日自分と戦っています。
「プロサッカー選手」になりたかったら、それくらいやらなきゃ。
プロサッカー選手だけでは無い。
どんな職業でも同じ。
その「道を極める」ということは、とてつもない努力があってこそ身につけれる物。
日々、誰よりも自分と向き合って
技術とスキルを磨き続け
サッカー選手に必要な
メンタル・フィジカル・人間性・人間力を鍛えて
大きな選手
大きな人になってほしい。
2012 
