ソラティオーラ和歌山
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戦争とサッカー
 6月1日、ワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフ準決勝戦で、スコットランドとウクライナが対戦した。
 外国の侵略を受けている戦争のさなかでの代表チームの試合、どんな感覚なのだろうか。試合会場のスコットランドのスタジアムには、ウクライナのサポーターも大勢詰めかけていた。どこからどうやって来られたのだろう。外国の侵略を受けている国からやってくることができるのだろうか。それともウクライナ国外に住んでいる人々が来ているのだろうか。
 世界中の大半の人々がウクライナを支援している中で、対戦相手のスコットランドはどんな心理状態で試合に臨んだのだろうか。
 どんなメディアを通じてか分からないが、戦場で観戦していた戦士たちがウクライナのゴールに歓声を上げている映像がニュースで流れた。何を伝えようとしていたのか、今何が起きているのか、どう理解していいのか、どんな感情を抱いていいのか、何もかもがよく分からない感覚に襲われる。
 試合は3対1でウクライナが勝って、最終試合のウェールズとの試合が6月5日に行われる。日本時間で6日の未明には結果が出ているはずだ。もし、この試合にも勝ってワールドカップ出場を果たしたら何が起こるのだろうか。反対に、ウェールズ戦に敗れてワールドカップ出場が叶わなかったときにはウクライナに何が起こるのだろうか。スコットランドと同じくウェールズは、どんな気持ちで試合に臨むのだろうか。
 私たちソラティオーラ和歌山では、3月にウクライナ支援金の募金活動を行い、集まった資金を在日本ウクライナ大使館に送金した。そんな行為も“軽い”行動にしか過ぎなかったような感覚にもとらわれる様な昨今の状況だ。今日もクラブの小学生チームはリーグ戦を戦い、ゴールに喜びを爆発させ、敗戦を悔しがった。なんという平和で幸せな日常かと思う。毎日、ウクライナの戦況も知らされるたび、私たちの国を絶対に外国を侵略するような国にしてはいけないと心から思う。
 日本代表チームの試合の時によく言われる“絶対に負けられない戦い”という言葉を軽々しく口にできないような、とてつもなく重い試合を前にして、私たちはどんな振る舞いでこの試合を見届けようとすれば良いのだろうか。
(2022.6.5 18:45 ウクライナ対スコットランドの試合結果を知る前に記しておかなければと考えて乱筆乱文を顧みずに)
2022/06/05 18:45
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