子供を1つのスポーツに専念させると運動機能が低下する
屋上開放活動
〜色んなスポーツで遊ぼう!!〜
5月28日(土) 10:20~11:40
場所 屋上スポーツ広場
ドッジボール、野球、キックベースなど
子供の運動機能の低下の問題を耳にされた事がない方はいないでしょう?添付の資料@にあるように、栄養面などの環境がよくなった事により、体は大きくなっているのに、運動機能は、低下しています。さらに、最近ではロコモティブシンドローム(通称ロコモ)という言葉を耳にされた事がある方も多いのではないでしょうか?
ロコモとは、一般的に運動機能障害といって、身体機能が低下し日常生活を送ることさえ困難な状態を言い、年配の方に多い疾患です。うまく歩けない、長時間立つことができない、重たいものを持つことができない、腰や膝が痛いといった、年配の方と同じような機能障害が、子ども達にも蔓延しています。中学生を対象にした運動器事前検診では、開眼で片足立ちが5秒以上できない中学生が7%おり、しゃがめない、前屈ができない、腕が180度上まで上がらないなど、基礎的な動作ができない子や機能低下に陥っている子どもが増えているそうです。
これは普段運動をしていない子達の問題でしょう?ソラティオーラの子供たちは、小さい頃からサッカーをしている子達なので、関係のない問題だと思ってしまいがちですが、実はそうではないようです。
添付の資料➁は、小学校6年生を対象にした育成診断テストで、身体形態と体力運動能力を計測データです。サッカー少年の場合、上体起こしと20メートルシャトルが成人の平均に達する一方、立ち幅跳びと長座前屈は学年の平均を大きく下回り、小学校低学年の数値の子が数多くいたそうです。専門家の分析によると「上体起こしの数値が高いのは体幹トレーニングが流行っているからで、20メートルシャトルはサッカーで走り込みをすることによります。小学生のサッカーはダッシュしたりジャンプしたり、強いボールをけったりする状況が少ないので、下半身の力発揮を示す立ち幅跳び、関節可動域などに関係する柔軟性である長座位前屈の数値が低い」そうです。
サッカーをプレーすると総合的に運動能力が高くなるわけではなく、サッカーで使う能力は高くなるが、それ以外の能力は低くなってしまう傾向があるという事です。これは、サッカーだけの問題ではなく、野球など他の競技においても言える事です。
毎週先生に来てもらっての運動指導を行っている幼稚園や保育園も多いですが、そういった園の子供たちより、自由に園庭で遊ばす事に力を入れている園の子供たちの方が、運動機能が高いというデータもあります。(資料B)これは、スポーツを指導する立場の人間からすると悲しい研究結果です。子供たちの運動機能を高める為には、大人が指示した通りに体を動かす運動より、遊びの中で、自分の意志で自由に体を動かす方が良いという事です。
週に数回、お金を払ってスポーツクラブに通わせるよりは、毎日公園に連れて行って自由に遊ばせる方が、子供たちの運動機能が高まりそうです。許されるのであれば、某テレビ番組のように無人島でサバイバル生活をさせるのが一番いいかもしれません(笑)。それは、現実的ではないので、グリーンエリア(屋上の空き時間)を活用して、子供たちに様々なスポーツで遊ぶ経験を提供したいと思います。会員の皆様、ご理解ご協力よろしくお願いします。
資料@ スポーツ庁
資料A いわきスポーツクラブ(いわきFC)
資料B 幼児の運動能力における時代推移と発達促進のための実践的介入
屋上開放推進リーダー 土屋
【 2022/05/24 更新】