アカデミーの指導理念
バレンシアCFアカデミー和歌山校では、トレーニングの一番の目的を「
判断力」を身につけ高めていくことにしています。
プレーヤーとして、最後にものを言う“武器”が判断力だと考えているからです。もちろん、正確なボール扱いのスキルや、何人もの相手をドリブルで突破していくテクニックももちろん大きな武器になりますが、最終的に他のプレーヤーとの違いを生み出すのは判断力だと私たちは考えています。例として挙げるまでもないですが、イニエスタの凄さがどこから来るのかはサッカーを知っている人なら誰でも分かることですよね。
体の大きさや足の速さも大きな武器になりますが、先天的な要素も大きいでしょうから、そのことよりも外からは見えないサッカー脳の働きによる判断力が、最終的に他のプレーヤーとの違いを生み出すと考えたほうが、夢があると思います。
そんな理由で、私たちのバレンシアCFアカデミー和歌山校では、
判断力を高めていくためには、どんなトレーニングを積んでいけば良いのか、コーチは日々そのことを考えてトレーニングを工夫しています。
私たちの現時点での考え方は、
すべてのトレーニング・メニューを、判断を必要とする設定にすることです。それも、「コーチが奇数を言ったら右、偶数を言ったら左」というクイズのような判断ではなく、サッカーでよくあるシーンでの判断を要するトレーニングの設定です。例えば、相手DFが自分のマークを離して、ボール保持者に向かってきたらワン・ツー突破、自分のマークに付いていったらスペースへのドリブルというような判断を問うトレーニングです。
そんなトレーニングをできるだけサッカーを始めたばかりの段階から取り入れていくことで、サッカーに必要な判断力を高めていけると考えています。サッカーとはそのようなスポーツなのだということを理屈よりも先に現実として経験していくことが大切だと思います。
まず、ボール・コントロールのスキルやドリブル・テクニックを、ドリル・トレーニングの繰り返しで身につけないと何も始まらない。その後で、フィジカルが強くなり、判断力が身に付けばレベル・アップしていけるという考え方は、サッカーの本質を捉えていないと思います。
サッカーの要素を一つずつ順番に身に付けていけば、サッカーができるようになっていくとは、私たちは考えていません。そのような“古い”コーチング・パラダイムから脱却しなければ、日本のサッカーは一流国の仲間入りをできないと確信しています。
サッカーに初めて接した時から、
サッカーはサッカーとしてプレーヤーの前に立ち現れます。今日初めてサッカーをするというその日からです。初めてサッカーを始める子どもに、サッカーがインサイドキックとして出現することは絶対にありません。何十年もサッカーをしていても、今日からサッカーを始めるにしても、
サッカーはボールがあり、ゴールがあり、味方がいて、相手チームのプレーヤーがいるものとして現れます。そのうちのどれが欠けてもサッカーにはなりません。
トレーニングは、この原体験から離れてしまってはならないと考えています。
これが、バレンシアCFアカデミー和歌山校の指導メソッドによって立つ基盤です。
【 2021/08/16 更新】